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腐食: ごく一般的で厄介な現象ですが、防止可能です

腐食とは、エンジニアリング材料(主に金属)と環境との化学相互作用によって生じる劣化のことで、莫大なコストが発生するおそれがあります。 ただし、適切な材料を選定し、シンプルな予防策を講じるだけで、腐食による損害の大半は未然に防ぐことができます。

世界で利用されている金属のほぼすべてが腐食するものの、これは特定の環境下に限定されています。 オイル/ガス用途、とりわけ沿岸部での用途では腐食を防止する方法がありますが、これには腐食とその発生メカニズムに関する基礎知識を身に付けることが必要です。 腐食が深刻な問題になる前に装置やシステムのオペレーターが腐食を目視で見つけたり、あらかじめ腐食が密かに進行しやすい場所の目星をつけたりすることができれば、掘削装置や精製所での腐食によるリスクを最小限に抑え、時間と経費を大幅に節減できるケースも少なくありません。

一般的なタイプの腐食を識別する

ステンレス鋼チューブ を使用することで、大半の腐食を防止することができます。 チューブ・システムは、プロセス計装や分析計装、油圧ライン、制御やユーティリティーのアプリケーションなどで使用されています。 腐食が原因でチューブから液体や化学物質が流出するといった問題が発生すると、作業環境に危険が生じたり、有害物質が排出されたりするおそれがあり、最悪の場合は壊滅的なシステム故障を引き起こすこともあります。 ステンレス鋼チューブに見られる腐食のタイプは、主に孔食とすき間腐食です。

pitting corrosion

孔食

金属の孔食は、金属の保護皮膜(ステンレス鋼やニッケル合金の表面上に見られる薄いクロムリッチ酸化皮膜など)が破壊されて金属原子が露出し、電子が簡単に放出される状態になると発生し、腐食に至ります。 この電気化学反応で生じる孔は、当初はごく小さいものの、孔の内部で腐食が進行するにつれて深くなっていき、最終的にチューブを貫通してしまうケースもあります。 また、コンポーネントに圧力が加わっている場合は、孔から割れが生じることがあります。 塩素濃度の高い環境(沈着した塩水の飛沫が蒸発して形成された環境など)では、特に温度が高くなると保護酸化皮膜の破壊が促進されて、孔食が生じやすくなります。 腐食をチェックする際は、赤茶色の酸化鉄の沈着物がないか、または金属の表面に孔が形成されていないかを調べましょう。

crevice corrosion





すき間腐食

孔食と同様に、すき間腐食は保護酸化皮膜が破壊されることで生じ、浅い孔を形成しながら進行します。 すき間腐食は人目に付くような場所ではなく、金属と金属、または金属と非金属の間にあるすき間で発生します。





ガルバニック腐食

ガルバニック腐食は電解液、つまり導電性がある液体(海水など)の中で、2つの異種金属を接触させると発生します。 ガルバニック腐食では、電位が卑な方の金属に孔などの損傷が生じます。

stress corrosion cracking


応力腐食割れ

海洋環境では、塩素イオンに誘発された応力腐食割れ(SCC)が特定の合金に生じる場合があります。 局部的に引張応力が存在する場所(引張応力が高い割れの先端など)では、塩素イオンは金属と化学反応を起こします。 応力腐食割れでは、合金の耐力より低い応力下であってもコンポーネントが破壊するおそれがあり、非常に危険です。




腐食の防止

大抵の場合、基本的な知識があれば、腐食を最小限に抑えることが可能です。 ここでは、重要なポイントをいくつか見ていきましょう。

材料の選定

まず、チューブを使用するアプリケーションでは、チューブはもちろんのこと、チューブ・サポートやチューブ・クランプについても、慎重に材料を選定してください。 316ステンレス鋼チューブ は、クリーンかつ極端な高温にならない環境であれば、大半の設備に適しています。 高温環境下、中でも塩分が沈着しやすく洗浄が困難な場所や、炭素鋼製構造物の梁や床から生じたさびがステンレス鋼の表面に蓄積するような設備においては、316ステンレス鋼チューブの腐食が生じることは珍しくありません。

このような環境では、スーパー・オーステナイト系ステンレス鋼またはスーパー二相ステンレス鋼のチューブの方が、はるかに耐食性に優れています。 また、スーパー二相ステンレス鋼は耐力や引張強さにも優れているため、高い使用圧力が求められるシステムに適しています。

チューブを取り付ける際は、チューブ・サポート・ストリップは使用しないでください。比較的大きなすき間が接触するエリアがあると、すき間腐食の原因となる溶液が形成されやすくなります。 現在、業界では チューブ・クランプ を使用するケースが増えつつあります。 チューブ・クランプを使用すると、クランプとチューブとの接触が最小限に抑えられるほか、チューブの目視検査が容易になるためです。

交換と設計

システム設計 を慎重に行うことで、すき間腐食が発生する可能性がある個所を最小限に減らし、互換性のない金属が接触してガルバニック腐食が生じる可能性を最小限に抑えることができるため、腐食の防止につながります。 チューブ・システムにおけるすき間を最小限に抑えるには、チューブを壁に直接取り付けない、またはチューブ同士を直接取り付けないというのもひとつの方法です。 316ステンレス鋼チューブにすき間腐食が見られる場合は、耐食性の高いチューブに交換してみましょう。耐食性に優れたチューブは、費用対効果の高い316ステンレス鋼製チューブ継手に取り付けることが可能です。 当社では、316ステンレス鋼製チューブ継手と各種合金チューブとを組み合わせたアセンブリーを提供しています。

トレーニングと腐食プログラム

上記のようなシンプルな対策に加え、適切な トレーニング を受講し、定期的かつ綿密な腐食監視プログラムを実施すると良いでしょう。 スウェージロック社では、腐食に関するトレーニングを実施しています。これは教室での学習や実地体験がオペレーターや技術者にとって有益であると考えているためです。 また、企業が腐食の専門家を雇用することは珍しいことではありませんが、一方でその知識がオペレーション全般に活かされていないということもよくある話です。 日々チューブ・システムでの作業に携わる人たちが、腐食に関する基礎知識(腐食の外観、発生しやすい場所、発生のメカニズム等)を身に付けることで、大半の問題は防止することができます。 まずは現行の 流体システム 、中でも目に付きにくい場所を精査することで、資源を守ることから始めましょう。

単純な腐食の科学science of corrosion

そもそも腐食とは何でしょうか? オイル/ガス用途で使用されているエンジニアリング金属の大半は、鉱石などの天然複合素材から作られたもので、その最終的な状態(ステンレス鋼など)に変換するには、莫大な量のエネルギーが必要です。 これらの金属がそのエネルギーを失い、自然界から最初に採取されたときのような安定した状態に戻ると、腐食が発生します。

ステンレス鋼は一般的に、保護酸化皮膜を形成するのに十分な量のクロムを含んでいるため、腐食が発生しにくくなっています。 しかしながら、一定の環境条件でその保護層が破壊されると腐食が発生します。 その発生のメカニズムは以下の通りです:

大半の自然環境に存在する水や酸素と、鉄や鋼が結合すると、酸化鉄(さび)が形成されます。 さびが形成されると、金属内の原子は電子を失い、バルク金属が残ります。 このようにして炭素の厚みが減って一般的な腐食に弱い低合金鋼となり、不具合が生じやすくなるのです。