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グラブ・サンプリングの一般的な不具合を是正する方法

グラブ・サンプリングの一般的な不具合を是正する方法

2020年1月7日 | Danny Van Den Burg、リージョナル・エリア・マネージャー、フィールド・エンジニアリング(EMEA)

大半の産業用流体システムにおいて、グラブ・サンプリングは非常に重要な役割を担っています。そして、サンプリング・プロセスに関するベスト・プラクティスを構築することで、安全な環境で良好な結果を得ることができます。

プロセス流体の状態を正しく表す良好なサンプルを採取することで、プロセスの状態やオンライン分析器の検証を行うことができ、最終製品が必要な品質仕様を満たしているという確証が得られるため、顧客のニーズに応える一助になります。 ここで重要なのは安全性です。プロセスの液体やガスが有毒または可燃性の場合は特に、適切なサンプリング手順に従って、適切な装置を使用し、安全第一のシステム設計を採用することで、危険な状況に陥る潜在的なリスクを最小限に抑えることができます。

スウェージロックのフィールド・エンジニアは、世界各地の現場でさまざまな液体やガスのグラブ・サンプリング・システムの調査および立ち上げに携わっています。残念ながら、すべてのシステムが最適な状態で、適切なオペレーションが行われているとは言い難いのが現状です。 フィールド・エンジニアは、特に高リスクのシステムにおいて、お客さまによるグラブ・サンプリング・システムの設計とパフォーマンスの評価をサポートすることを目標に掲げています。また、新しいコンポーネントまたはグラブ・サンプリング・システムの設計、推奨するベスト・プラクティスなどを通じて、改善策を特定するお手伝いも行います。

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一般的な問題の中には、簡単に是正可能なものもあります。 場合によっては、問題を是正するにあたって、新しい装置やコンポーネントの検討が必要です。 時には、サンプルの安全な取り扱いや移送を行うため、慣行や手順の変更が求められることもあります。 このような是正を行うことで、良好なサンプルを安全かつ再現良く採取することが可能になり、オペレーション全体の改善にもつながるのです。

グラブ・サンプリング・ポイントの識別:まずは流体システム全体において、グラブ・サンプリング・ポイントを個別に正しく識別することが重要です。 プラントでは、容器、ポンプ、コントロール・バルブ、熱交換器などの装置に個別のタグ番号を付けることが一般的です。 グラブ・サンプリング・ポイントも同様です。

問題: サンプリング・ポイントには個別に名称を記載したラベルを付ける必要があるにも関わらず、すべての現場でこれが守られているとは限りません。 例えば、グラブ・サンプリング・ポイントが単に「サンプル・ポイント」としてリストされ、オペレーターの知見によってのみ正しく識別できる場合があります。 この場合、各サンプリング・ポイントを正しく照合するには、システムのフロー図を参照し、直近のプロセス装置までの配管をトレースするしか方法がありません。正しく識別できるラベル付けがされていないと、容器(ボンベ)が特定のサンプリング・システム専用でなかった場合、異なるサンプルの混合につながり、容器がプロセス条件に適合していない場合は、危険な状況を招くおそれがあります。

是正方法: ベスト・プラクティスとして、簡単かつ適切な識別を行うため、グラブ・サンプリング・ポイントの命名規則を作成する必要があります。資産台帳には以下の情報を含め、各サンプリング・ポイントとの紐付けを行う必要があります:

  • サンプリング・ポイントの位置
  • サンプリングする流体の組成と状態
  • 圧力と温度
  • 潜在的なリスク
  • 容器のタイプ
  • 重要な予備部品および型番
  • サンプリングの頻度
  • 代表的なサンプリングの洗浄時間

効率的で質の高いサンプリング:繰り返しになりますが、サンプルの品質は非常に重要です。サンプルの品質、代表性、一貫性の確保に役立つグラブ・サンプリング・システムの施策と設計のベスト・プラクティスを紹介します。

問題: 我々のサーベイで、ノズルから直接サンプルを採取しているグラブ・サンプリング・ポイントが観察されることは珍しくありません。しかしながら、この手法は効率的とは言えず、潜在的な品質の低下といった問題につながるおそれがあります。 ガス・サンプルでは、ノズル内の容積が大きいと、パイプ・ノズル内のガスが高圧で圧縮されることにより、サンプルの時間遅れが大きくなる場合があります。システムによっては、代表性のある分析をするのに時間遅れが1時間になる場合もあります。また、ノズルにはフィルタリング機能がありません。システムによっては、分析を行う前に、採取したサンプルから凝縮液を除去することが必要になります。これを適切に行わなかった場合、サンプルの品質や精度が低下するおそれがあります。

是正方法: サンプリングの際にプローブを使用すると、さまざまなプロセス・アプリケーションにおける効率低下を防止することができます。 プローブを使用することで、パーティクルの取り込みを防止し、多大な容積を排除することが可能です。 また、プロセス・パイプの内径の1/3から中心までのエリアでサンプルを採取することで、精度が高く、プロセス流体の状態を正しく表すサンプルを入手することができます。 サンプルの時間遅れを短縮するには、プロセス・インターフェース・バルブの直後でガス・サンプルの圧力を下げて、ガスの量を減らしてください。 これで高圧のガスがプラント内を移送されるというリスクも軽減することができます。

適切なエンド・コネクションがあれば、大半のプロセス・ライン内にあるサンプル供給ノズルにサンプル・プローブを取り付けることができます。液体サンプリングの場合、鉛直のプロセス・ラインの下方にプローブを取り付け、液体ライン内のガスをプローブから取り込まないようにするのが理想的です。 ガス・サンプリングの場合、水平パイプの上部にプローブを設置してください。採取したサンプルが気液混合状態になる可能性があるため、プローブを曲げ部に取り付けないでください。また、パーティクルなどによる汚染が生じたり、ガス・ライン内の凝縮物がプローブを経由して移送ラインに流入したりするおそれがあるため、プローブをパイプの底部に取り付けないでください。

安全かつ正確なサンプルの取り扱い: 取り出しと取り扱いは、プロセスから採取したサンプルの代表性を維持する上で、非常に重要なファクターとなります。考慮が必要なポイントがあるため、注意が必要です。

問題:我々のサーベイである程度の頻度で観察される不適切なサンプルの取り出しと取り扱いがあります。例としては、製品が溢れたり、飛び散ったりすることにつながる高圧液体のグラブ・サンプリングが観察されることがあります。 これは製品が無駄になるばかりか、サンプリング技術者にとっては潜在的なリスクとなり、環境規制にも違反するおそれがあります。 また、採取した液体サンプルを密閉していないボトルに入れてラボに持ち込むというケースも珍しくありません。 適切な圧力と温度に維持しないと、サンプルの軽質成分が露沸点を上回って蒸発または分留するため、密閉していないボトルは、必然的にサンプルの正確性が失われることになります。 繰り返しになりますが、オープン・サンプリングでは技術者が有毒なサンプルや揮発ガスにさらされるという潜在的なリスクがつきまとうことになります。

是正方法: 一定容量のボンベを使用した液体サンプリングであれば、このようなリスク要因を確実に取り除くことが可能です。 高圧のアプリケーションでは特に有益であり、再現性のある正確なサンプルを確保することもできます。 一定容量のボンベを使用したサンプリングでは、液体の熱膨張に対応するため、容器内の容量の20%を空けるように調整することも可能です。

論理的なサンプリング位置: 最後に、運用効率を考慮しましょう。 現在のグラブ・サンプリング方法は、プラント効率の低下を引き起こしていませんか? サンプリング・ステーションは、作業するのに最も適した場所に配置されていますか?

問題: 我々のサーベイでは、設置場所に問題があるサンプリング・システムを、一定の頻度で見かけます。 よくある例は、サンプリング・システムがコントロール・バルブの上流に位置している場合です。コントロール・バルブを閉状態にすると、サンプリング・システムへの流れが遮断されるため、代表性のあるサンプルを採取することができません。コントロール・バルブを閉状態にすると、圧力差が無くなり、サンプリング・システムへの流れは不明であるか、全く流れていないことになります。

是正方法: 通常、サンプリング・ポイントは、ポンプの下流、プロセス・ストリームの前後、または最終製品ラインに配置してください。 これで、締め切り用バルブやコントロール・バルブの位置を気にすることなく、信頼性の高いサンプルを効率的に採取することができます。 システム全体の設計時には、サンプリング場所の利便性も考慮して、サンプリング・ポイントに簡単にアクセスできるように図ってください。可能であれば、個々のサンプリング・ポイントを統合することで、間違ったポイントからサンプルを取得するといったエラーのリスクを軽減することができ、大幅なコスト削減にもつながります。

グラブ・サンプリングを適切に実行することで、プラントにはさまざまなメリットが生まれます。詳細につきましては、スウェージロックの評価/アドバイス・サービス のページをご参照ください。

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