alert icon

Internet Explorer 8および9は、本ウェブサイトの動作確認環境の対象外となります。 その他のブラウザを使用してください。

メッセージを閉じる hide icon

流体システムのパフォーマンスを改善する方法

流体システムのパフォーマンスを改善する方法
トレーニングや教育によって、流体システムのパフォーマンスや安全性に影響を与えるような問題を診断するスキルが向上します。

流体システムのパフォーマンスを改善する方法

Cory Cottrill、製品マネージャー、フィールド・サービス担当

諸々の作業に追われて、流体システムのパフォーマンスにまで気を配る余裕がないというのは、多忙なプラントや工場ではよく耳にする話です。 しかし保守を怠っているうちに、問題が見る見る深刻化してしまうこともあります。 オペレーションを守り、流体システムの安全性とパフォーマンスを維持するには、継続的なシステムの改善、取り付けミスの撲滅、従業員のスキルアップに重点を置いた教育システムを構築することをお勧めします。

スウェージロックのフィールド・エンジニアは、毎年数え切れないほどの産業施設を訪れ、流体システムのメンテナンスに関するアドバイスを行っています。 流体システムの問題を放置していると効率が低下してコストの増加につながるばかりか、排出物の漏れ(フュージティブ・エミッション)が深刻な災害を招いて安全を脅かすことにもなりかねません。 今回は、流体システムのパフォーマンスを最適化する手順を紹介します。

流体システムのトレーニングや教育を実施する

流体システムの問題の大半は、個々のコンポーネントの不具合ではなく、取り付けミスに起因しています。 締め付けが不十分な継手や、逆向きになっているフェルールを目にするのは珍しいことではありません。 このようなミスが漏れの原因となることもあります。 パフォーマンスの最適化や流体システムの漏れ検出についてきちんと学んだことがなければ、数十年の経験を持つベテランでさえこうしたミスを起こしかねません。

材質の選定、組み立て/取り付け、定期メンテナンスに重点を置いた 流体システムのトレーニング・プログラム を実施し、安全かつ効率的な作業方法を習得することで、システムの不健全化を回避することができます。 また、不具合が見つかった際に、こうしたトレーニングで習った専門用語を使って、的確に状況を報告できるようになるという点も有効です。 正確な用語を知らない、あるいは正確に理解していない技術者は、技術的な問題について話すことを避けることもあります。 あるいは、アドバイスが正確に伝わらなかった結果、時間とリソースが無駄になることも考えられます。 専門用語を正しく理解すればコミュニケーションが改善し、流体システムにおけるトラブルシューティングや漏れ検出の精度の改善にもつながります。

トレーニングを受講することで、判断に迷ったときに意見を求めることができる専門家との接点ができるというのも大きなメリットです。 同じような問題を経験したベンダーと情報共有できるだけでも、エンジニア、技術者、取り付け施工者、その他プラントの従業員は日々のプレッシャーから解放されることもあるのではないでしょうか。

流体システムを診断する

漏れが生じているバルブや雑音が大きいレギュレーターが見つかった場合、同一のコンポーネントに交換されるケースが大半です。 こうした単純な是正措置では一部の問題を解決できるかもしれませんが、システム圧力が過剰である、異常な振動が発生している、材質やコンポーネントに適合性がないといったケースでは、根本的な問題の解決には至らないこともあります。

部品を交換するのは簡単ですが、不具合の原因を突き止めなければ問題が再発するおそれもあります。 問題の特定、改修ロードマップの策定、プロセスの完了に焦点を絞ったトレーニング・プログラムを受講するのが、問題の根本的な原因を究明するスキルを習得する早道でしょう。

流体システムの状態を診断し、排出物の漏れを防止するには、専門家にサポートを依頼することをお勧めします。 全く同一のシステムは存在しないため、前には有効だった手法が他のアプリケーションでも使えるとは限りません。 現象を調べて問題の原因を突き止めるには、コンポーネントとシステムが連動する仕組みを十分に理解する必要があります。 インターネットで答えを探すのは手っ取り早いかもしれませんが、流体システムの状態を詳しく判断するには、やはり現場での監査が欠かせません。 ぜひシステムの 評価/アドバイス・サービス をご活用ください。

流体システムをスムーズに改善できる体制を整える

流体システムに変更を加えるには、往々にして部署の承認が必要です。 例えば、あるアプリケーションにおいてゲート・バルブをボール・バルブに交換した方が良いとわかっても、承認プロセスが足かせになれば、問題解決は遠のいてしまうばかりです。 また、メンテナンス担当者がある問題をエンジニアの責任だと考えたり、逆にエンジニアがメンテナンス担当者に責任を押し付けようとしたりすると、状況は行き詰まってしまいます。 その間にもシステムの不具合は進行し、潜在コストはかさむ一方です。

調査委員会を設け、全部門が合意した改善や改修については、委員会の権限で速やかに実施するというのもひとつの案でしょう。 そして、作業に対する各部門の責任を明確化し、毎月の目標を設定してはどうでしょうか。 各部門の意思決定者が集まるだけでも、活発な意見交換と迅速な行動につながります。 同時に、各部門で抱えている懸念事項を共有することで、システム全体を見なければ絶対に気付かない問題が浮き彫りになることもあります。

専門家を招いてプラントの各機能の責任者と協業してもらうのも良いでしょう。 部門間の協力体制が促進されるだけでなく、第三者の存在が刺激となってプロジェクトがスムーズに立ち上がり、その流れで望ましい成果が得られるというケースも少なくありません。

努力が報われる仕組みを作る

従業員が流体システムの改修を前向きに捉えるようになれば、メンテナンスが積極的に行われるようになるでしょう。 例えば、コンペの要素を取り入れたインセンティブ・プログラムがあれば、システムの安定稼働を維持するモチベーションが高まるかもしれません。 実際のところ改修は地味な作業の連続ですが、誇りや達成感が感じられる仕組みがあれば、熱意を持って作業に取り組めるのではないでしょうか。

前向きな気持ちでメンテナンス作業に取り組むと、オペレーション効率が大きく改善する傾向が見られます。 統計によれば、プラントの安全性に関わる事故の大半は防止可能であり、基本的なトラブルシューティングと適切な設計が実践されていれば、数万ドル単位でコストを削減できることもあります。 不具合を放置し、問題が大きくなってから対処すると、無駄な時間や材料、洗浄作業などに莫大なコストがかかることになります。 日々の作業がプラントの生産性と流体システムの安全性を支えていることを十分に理解すれば、定期メンテナンスに対する従業員の意識も変わることでしょう。

その他の考慮事項

流体システムの安全性の維持や排出物の漏れ防止のためにできることは、他にもあります:

  • 目や耳を研ぎ澄ます:  異常な音(シューシュー、バンバン、カンカン、ドンドンなど)がプロセス・システムから聞こえてきたら、おおむね流体システム・コンポーネントに問題が生じていると考えてよいでしょう。 従業員にとってはお馴染みの現象や音であっても、新鮮な目や耳を持つ第三者であれば問題に気付くことができるかもしれません。
  • 専門家に頼る: システムの状態やパフォーマンスに精通していない人に、重要なオペレーションを任せるのは絶対にやめましょう。 専門家なら、誰もが見落としがちな問題を見つける手助けをしてくれるでしょう。

今日から始めましょう

新たに定期作業をひとつ加えるだけでも、正常な状態を失いつつある流体システムを蘇らせることができます。 改修のノウハウと意欲を持った従業員が1人でもいれば、プラントは活性化するものです。 システムを最適な状態に維持する重要性を共通認識として持つことができれば、莫大なコストが発生するような改修や事故を回避することが可能です。 スウェージロックの専門スタッフにご相談いただければ、施設ごとのニーズに合わせた対応策づくりをサポートいたします。

スウェージロックのサービスについて問い合わせる

関連コラム

様々なホースとフレキシブル・チューブ

一般産業用流体システム・コンポーネントの寿命を最長化する

一般産業用流体システム・コンポーネントを1つ交換するのに必要なコストが、コンポーネント自体の価格を上回ることもあります。 今回は、システムのコストを抑えつつコンポーネントの寿命を最長化するための予防保全のヒントを紹介します。

流体システムの安全検査

安全性に優れた一般産業用流体システムを構築するための7つのヒント

一般産業用流体システムの設計において、プラントの安全性は常に最優先に考えるべきものです。 今回は、安全上のリスク低減とシステムのアップタイム(稼働時間)維持に取り組むエンジニアと技術者の方々に役立つ、流体システム設計のヒントを紹介します。

流体システムの漏れを修理するエンジニアの手のクローズアップ

流体システムの漏れの一般的な原因とコスト

プラントのメンテナンス担当者として安全性と収益性を考えるなら、ごくわずかな漏れであっても問題視すべきです。 だからこそ、漏れが発生する原因とメカニズム、漏れの発生場所を特定して検査する方法、さらに最終的にはプラント全体で漏れを削減する方法を策定することが有益といえます。