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産業用流体システムに適したバルブを選定する方法

産業用流体システムに適したバルブを選定する方法

2020年9月22日 | Joe Bush、シニア製品マネジャー、スウェージロック

バルブの選定は、産業システム、配管システム、計装システムなどさまざまな流体システムの適切な設計とメンテナンスの鍵を握っているといっても過言ではありません。アプリケーションに適していないバルブを使用した場合、流体システムのパフォーマンスの低下、ダウンタイムの増加、回避可能な安全リスクに直面するおそれがあります。

バルブ の選定は通常、初期の流体システム設計時に行います。システムの使用期間を通じて、バルブを含む部品の大半を交換する際は、仕様に従って、すでにシステムで使用している部品と同じタイプに置き換えるというのが一般的です。よって、後日バルブを早々に交換するといった事態を避けるためにも、最初から適切なバルブを選定しておくことが重要なのです。

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適切な選定を行うには

適切なバルブを選定するには、STAMPEDメソッドを取り入れる、つまりサイズ(Size)、温度(Temperature)、アプリケーション(Application)、流体(Media)、圧力(Pressure)、エンド・コネクション(End Connection)または継手、納品(Delivery)を考慮することをお勧めします。産業用流体システムや分析サンプリング・システムの専門家は、このようなオペレーション条件を一つひとつ検証することで、適切なバルブを選定しているのです。

ここで、流体システムの設計時にSTAMPEDメソッドを適用する方法を紹介します:

S: Size(サイズ)

流量は、バルブのサイズによって決まります。よって、バルブのサイズは、希望する(または必要な)システム流量に合わせる必要があります。バルブを通過する際に生じる圧力損失と対応する流量の関係を示す流量係数(Cv値)については、メーカーに問い合わせてください。

流量係数(Cv値)は、1分当たりの水量を米国ガロン単位で表したもので、60°Fにてバルブの一次側と二次側の差圧が1 psiの時の係数となります。ガスのように圧縮可能な流体の場合は、Cv 値のパラメーターを使用して流量を予測するのは容易ではないものの、それでも特定のアプリケーション用のバルブのサイズを決定するには効果的な方法といえます。

Cv値に影響を与えるバルブの設計要因として、流路のサイズと形状が挙げられます。バルブのオリフィス・サイズは、そこを通る流体の流れに影響を与えます。つまり、オリフィスのサイズが大きくなるほど、流量が増えることになります。オリフィスは、バルブのタイプによって大きく異なる場合があります。例えば、 ボール・バルブ では流れ抵抗を最小限に抑えることができますが、 ニードル・バルブ は流れの抵抗が大きく、流量が制限されることになります。選定プロセスではこういった点を考慮してください。

不明な点があれば、メーカーに確認してください。適切なメーカーであれば、必要なバルブのサイズ選定をサポートしてくれるでしょう。なお、スウェージロックでは、 Cv値計算ツール を提供しています。アプリケーションに適したバルブを選定する際にご活用ください。

T: Temperature(温度)

バルブを使用するエリアの温度に注意してください。システム流体の温度のほか、バルブが制御する周囲環境の温度も含まれます。「この温度は一定なのか、それとも頻繁に変動するのか」を確認しましょう。 温度条件によって、選定するバルブや予防保全の実行頻度が変わります。

温度が変化すると、シール材の膨張や収縮が生じます。また、金属部品の強度は温度の上昇に伴って低下するため、最高使用圧力が下がるおそれがあります。メーカーに問い合わせて、極高温下でバルブのテストを行っているかを確認してください。

A: Application(アプリケーション)

システム内でのバルブの役割を考えてみましょう。流れを開始または停止する必要がありますか?流量レベルを調整しますか?流れの方向を制御しますか?過圧からシステムを保護する必要がありますか?

こういった質問に答えていくことによって、設計の際に選定するバルブのタイプが決まります。ここで再度シンプルな2方タイプの ボール・バルブ を例に考えてみましょう。ボール・バルブの中にはスロットリング機能が付いているものがありますが、大半のボール・バルブは、スロットリングまたは流量を調整する目的で使用するべきではありません。ボール・バルブは、全開状態または全閉状態で使用するように作られています。スロットリングや流量調整を目的として使用する場合は、 ニードル・バルブ またはメータリング・バルブを使用することをおすすめします。

M: Media(流体)

システム内のプロセス流体についても慎重に考慮し、適切な材料組成のバルブを選定しましょう。バルブ・ボディ、シート、ステム・チップなどのソフトな部品に用いられている 材料 が、システム流体との互換性があることを必ず確認してください。互換性が無かった場合、腐食、脆化、応力腐食割れなどにつながる可能性があり、どれが生じても安全上のリスクやコストがかさむ生産上の問題を引き起こすおそれがあります。

温度と同様に、バルブを使用するエリアについても考慮する必要があります。使用するのは工場内や加熱機器のエンクロージャーなど、気候がコントロールされた環境下ですか?直射日光、雨、雪、霜といった気象や、気温変化などにさらされる屋外ですか?塩化物にさらされる海洋環境ではありませんか?バルブとその部品には、さまざまな材料が使用されています。このような要因に適したバルブを選定することで、バルブの寿命と機能を最大限に引き出すことができるのです。

P: Pressure(圧力)

圧力もまた、バルブを選定する際に十分考慮する必要があります。圧力には2種類あることに注意してください:

  • 使用圧力: システムにおける通常の使用圧力
  • 設計圧力: バルブ・メーカーが定めた最高圧力の限界値。 いかなる流体システム部品の設計圧力を超えてはならない(制御された試験条件下で使用する場合を除く)。

流体システムの圧力限界値は、最も低い値の部品によって決まります。バルブの選定時はこれを覚えておきましょう。プロセス流体の圧力と温度は、部品の性能に多大な影響を与えます。選定するバルブは、必要なときに圧力を保持し、広い範囲の温度や圧力の下でも動作する必要があります。設計、材料の選定、検証は、すべてバルブ性能を左右することになります。また、圧力と温度は互いに大きく影響し合うことに留意しましょう。一般的に、プロセス流体の温度が上昇すると、最高使用圧力は低下します。

E: End Connection(エンド・コネクション)

バルブには、さまざまなエンド・コネクションが付属しています。例えば、 チューブ継手、管用ねじ、パイプ・フランジ、溶接エンドなどが挙げられます。元来、バルブ構造との関連はありませんが、バルブの全体的な構成とその漏れのないシステムを維持する上で、エンド・コネクションの選定は重要です。エンド・コネクションがシステムの圧力と温度に適していること、そして適切なサイズであることを確認してください。エンド・コネクションが適切であれば、容易に取り付けることができ、リーク・ポイントを排除することができます。

D: Delivery(納品)

上記の各要因を考慮し、アプリケーションに最も適したバルブを選定したら、「いつバルブが必要か?どのくらいの数が必要か?」 を考えてみましょう。

期日通りの納品と安定した供給。これは、流体システムのオペレーションと効率性を維持する上で、他の要因と同様に重要です。STAMPEDメソッドの最終ステップとして、サプライヤーを入念にチェックしてください。必要なときに必要な部品を提供してくれるか?コンタクトが取りやすいか?システムのニーズを理解して協力してくれるか?

適切なバルブの選定は、安全かつ効率的な流体システムの設計には欠かせません。バルブの選定や流体システムの設計について、詳しく知りたいとお考えですか?スウェージロックのトレーニング・コースを受講して、実用的な設計に関する知識を強化してみてはいかがでしょうか。バーチャル・トレーニング・コースの開催予定につきましては、最寄りのスウェージロック指定販売会社までお問い合わせください。

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ジョー・ブッシュは、スウェージロックのシニア製品マネージャーであり、一般産業用バルブ製品ラインの長期的なビジョンや戦略の設定を担当しています。スウェージロックに26年間勤務しているジョーは、高純度サービス・グループの技術サービスのリーダー、シニア・プライシング・アナリスト、オイル/ガス市場のマーケット・マネジャーなど、幅広い経験を有しています。

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